オリジナルのBL小説を、気の向くままに綴っております。個人的趣味嗜好ですので、誹謗中傷は受け付けておりません。
ご賛同&ご理解頂ける大人の方のみお立ち寄り下さい。
また、小説内の表現のひとつとして、性的描写等も出て参りますので、閲覧は自己責任にてお願い致します。
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Simple〜僕は君の許婚 【目次】
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【 Simple〜僕は君の許婚 】 (2011.12.05〜2012.03.05)

 ★辻本縁 (ツジモトユカリ)×三国昴 (ミクニスバル) (乙女系一途攻め/幼馴染/同級生)
   あの日交わしたプロポーズ、君は覚えている?
   あの日から、君は僕の特別なのに。
   僕は君だけの許婚……君の中での僕は、今どこにいるのだろう。
   一途な想いは届くのか?



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【Simple〜僕は君の許婚】 comments(2) trackbacks(0)
Simple〜僕は君の許婚 (1)
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あの日のことを、今でもはっきりと覚えてる。
色褪せることの無い、あのひと時。
僕の運命を決めた、君との出会い。


寒かった冬も終わりを迎え、日差しの暖かさを感じ始めた頃に、僕は新しい土地での生活を始めることになった。兄の小学校入学、僕の保育園入園を切っ掛けに、新築の家へと引っ越して来たのである。

「あら、じゃあ同じ保育園ですね。スーちゃんほら、ご挨拶して」
「そうなんですか? よろしくお願いします。縁(ユカリ)もほら、こんにちはって」

母に連れられてやって来た公園で、僕は一人の男の子と知り合った。
くりくりとした大きな瞳で、母の影に隠れる僕を興味深そうに見ていたその子が、ずいっと身を乗り出して僕を見つめる。

「オレ、昴(スバル)。おまえは?」
「え……」
「こら昴っ! お前じゃないでしょ! ごめんなさいねえ、うちの子やんちゃで」
「いいえー、元気で良いじゃないですか」

僕達の頭上で和やかに会話を交わす母親達をよそに、昴と名乗った彼がニカッと輝くような笑顔を浮かべる。

「……縁」
「ユカリかあ……おまえかわいいな……きめたっ! オレおまえとけっこんする!」
「え?」
「あはは、昴くん、縁も男の子だけどいいの?」
「ええ? 男の子なんですか? すごく可愛いー! 縁くんなら男の子でもお嫁さんに貰いたいわあ」

戸惑う僕をよそに、母親達はなぜか息投合していて。
事実を告げられた昴はといえば、一瞬きょとんと首を傾げ、何かを考えるポーズを見せる。

「おまえ、おとこなのにスカートはいてんの?」
「……うん」

その頃の僕の格好は、母親からスカートを穿かせられ、長めに伸ばした髪を可愛い飾りの付いた髪留めで留められるという、見た目は女の子のような格好をさせられていた。
男二人兄弟、どうしても女の子が欲しかったらしい母親の喜ぶ顔を見るのが嬉しくて、スカートは嫌だなんて言えなかった。
母親の影響を受けたからか、可愛いものは僕も好きだったし、その頃のお気に入りのおもちゃはふわふわしたうさぎのぬいぐるみだった。

(やっぱり、へんなのかな――――)

自分の中にある世界の大部分は家庭だった幼少期、それは初めて感じた羞恥だったのかもしれない。新しい土地で初めて出来るかもしれない友達に、嫌われるのはイヤだなと思った事を覚えている。

「ふうん……でもかわいいからいいや、オレのよめにしてやる! あっちであそぼうぜ」
「あっ」

昴の顔を見れずに俯いた僕に、彼は笑顔でそう告げた。手を引かれてブランコへと向かいながら、やんちゃそうな彼の笑顔から、僕は目が離せなくなったのだった。

「オレとけっこんする?」
「……うん……でも、けっこんてなあに?」
「わかんねえけど、このまえテレビでやってた! ずっといっしょにいられるんだって!」
「スーちゃんとずっといっしょにいられるの?」
「そうだよ、うれしいだろ?」
「うんっ」

屈託の無い笑顔を向けられて、僕も笑顔を返した。
可愛いのは僕よりも昴の方だ。そんな言葉は口に出せなかったけれど。
可愛くて格好良い、僕の昴。それは今でも変わっていない。
その日から僕、辻本縁(ツジモトユカリ)は、彼、三国昴(ミクニスバル)の許婚になった。



「よしっ、完成! って、もうこんな時間? 思ったより時間掛かっちゃった。急がなきゃスーのとこに寄る時間がなくなる」

朝の慌ただしい時間帯、目の前の完成したばかりのお弁当を前に笑顔を浮かべた僕は、次いで目にした時計が示す時間に慌てて身支度を整え始めた。



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【Simple〜僕は君の許婚】 comments(6) trackbacks(0)
Simple〜僕は君の許婚 (2)
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辻本縁、27歳。
今僕は私立の保育所で保父さんをしている。

三つ子の魂100までという言葉があるけれど、きっと僕は典型的にその言葉に当て嵌まってしまったのだろう。
幼い頃から母に買い与えられる可愛い物に囲まれて育ったせいか、僕は今でも可愛らしい物が大好きだ。
一人暮らしのアパートの部屋には、数は少ないけれどぬいぐるみなんかも置いてある。
流石にこの歳になって、大人の男の部屋を可愛い雑貨が占めているというのは恥ずかしいし、見るのは好きでは集める趣味は無いから、置いてあるぬいぐるみも全てもらいものだけれど。

幼い頃にはスカートを穿かされたりもしていたけれど、今では身に付ける物は極普通の男物の洋服だ。
その事に不満は無いけれど、たまには可愛い物に囲まれたいと思うのも本心で。
その点今の職場は可愛い子供達に囲まれて、アップリケなんて付けたエプロンを着て、ちょっぴり長い髪は、ボンボンの付いたゴムで後ろにひとつに結んでみたり。
勿論可愛いからという理由だけでは勤まらない仕事だし、どうしたって女性の多い職場だから、力仕事なんかの大半は僕に回ってくるのだけれど。

(……僕は自分の子供が持てないしな――――)

その分自分が手を掛けた子供達が、本当に可愛いと思える。成長していく姿を見るのは嬉しいし、やりがいもある。
どちらかと言えばおっとりとした性格のせいか、人当たりが良いと嬉しい評価も頂けて。

(にしても……うちの所長って心が広いよなあ)

面接の時の遣り取りを思い出して、ちょっぴり笑ってしまった。
就職を決める際に、昴の勤め先に近い場所をと探した結果、辿り着いたのが今の職場だ。
最終面接の会場では所長とオーナー二人の前に僕一人という、それだけで緊張してしまうシチュエーション。

『若いお母さん方も沢山いらっしゃいます。中には困った保護者もいたり……そんな時に、万が一にも間違いがあっては困るのですが、その点は大丈夫ですか?』

これが最後と言い置かれたあとで、想定外の質問が浴びせられた。それまで幾つか受けて来た面接では聞かれた事も無かった質問に、僕は頭が真っ白になってしまって。

『はい、僕はゲイですし、心に決めた相手がいますので、心配いりません』

口に出した後に何を言っているんだと青褪めた僕に、所長は一瞬目を丸くして、次に声を出して笑った。その横ではオーナーが俯きながら肩を震わせていた事を覚えている。

『あはは、ごめんなさい。そんなに正直に答えなくても良かったんだけど……分かりました。結果は追ってご連絡致します』

さすがは私立、質問の内容もバラエティに富んでいる。
内定通知が届くことは有り得ないと落ち込む変わりに、そんな事を思って気持ちを切り替えようとした僕の元に、面接から数日後、内定と書かれた書面が届いたのだった。

『ごめんね。ある意味セクハラな面接だったけど、以前問題を起こした先生がいたもんだから……それと、私も同じだから』

歓迎会の席で所長がこっそり僕に告げて、内緒だよと微笑んだ。
女性が多い職場だから、噂話なんかも聞こえてくる。
耳にした話では所長とオーナーはそういう関係らしく……内緒、と言いつつも、職場の先生方は暗黙の了解として受け止め暖かく二人を見守っているのだというもの。
気付かれて無いと思っているのは、どうやら所長だけなのだろう。

何年か後にオーナーから聞かされた話では、面接の際に色々な子供がいるからとそれとなく話を振り、その反応で少しでも嫌悪が見えた人は採らないことにしているのだという。
聞いてなるほどと納得したし、僕としても気が楽になった。
所長とオーナー以外には、僕からわざわざ伝えたりはしていないけれど、先生方の間にはいつの間にか僕がゲイである事は伝わっていて(面接時に案内役をしていた某女史が出所だろう)。
それでもその事で、嫌な感じを受けた事は一度も無い。

そんな恵まれた環境の中で、僕は可愛い子供達に囲まれる毎日を過ごしているのだけれど。

「うん、やっぱり一番可愛いのはスーだよね」

毎朝の日課となっているスーの職場への訪問。
香ばしいパンの香りを吸い込みながら店内へと入った僕は、ガラス越しに区切られた奥の厨房に見える昴の姿に、そっと目を細めた。

僕にとって、ぬいぐるみよりも子供達よりも、一番可愛いと思う存在。
幼い頃から変わっていない、僕にとっての絶対的な人。



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次話にて昴登場〜。

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Simple〜僕は君の許婚 (3)
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「あら縁ちゃん、今日はちょっと遅いんじゃないの?」
「お弁当作ってたら思ったより時間掛かっちゃって」

すっかり顔馴染みになったパートのおばさんと会話をしていると、丁度焼き上がったばかりのパンを窯出しし終えた昴が僕に気付き、厨房から出て来てくれる。

「今からか?」
「うん、おはよう昴。今日の昴の担当はどれ?」
「今日はそこのデニッシュとバゲッドサンド」
「じゃあそれとコーヒー」
「毎度どーも……しかしお前も毎朝毎朝、良く飽きねえな」
「飽きるなんてないよ! 昴の焼いたパン食べたいもん! っていうか、昴の顔見ないと、一日始まった気がしないし」
「……あっそ」

昴の勤めるパン屋では、店内に飲食の出来るスペースが設けられている。
道路に面した5人分のカウンター席と、二人掛けの小さなテーブル席が2つ。そのカウンターの一番端に腰掛けて、買ったパンを食べるのが僕の日課。
毎朝顔を出す僕に呆れながらも、僕のレジは必ず昴が担当してくれる。
今日もつれない事を言う昴に、僕もいつもの言葉を返す。この「あっそ」のひと言の後に、ちょっぴり照れ臭そうに口元を緩める昴の顔が、僕は一番好きかもしれない。

「今日は遅いのか?」
「うーん……居残りさんの当番は別の先生だし、そんなに遅くならないと思うけど」
「俺さ、カレー食いたい」
「っ! 分かった! キノコいっぱいの特製カレー作る!」
「声がデカイっつうの! ……じゃあ、夜にな」
「うんっ」

出会った頃は昴の方が高かった身長を、いつの間にか追い越していた僕を見上げながら、昴がボソリと口に出した言葉に、朝から僕のテンションも急上昇だ。
伸ばされた手でペシリとおでこを叩かれたけれど、そんな痛みなんてこの嬉しさに比べれば大したことは無い。
僕が誘いを掛ける事はしょっ中だけど、昴から家に来たいと言ってくれる事は、最近では滅多に無いから。

今日は良い一日になりそうだと、笑顔でデニッシュにかぶり付いた僕は、その日が人生で一番最低な日になる事なんて、予想もしていなかった。



初めて会ったあの日から、昴は僕の一番の友達だった。
あの場所であった当日に言われた「けっこん」という言葉の意味は、余り良く分かっていなかったけれど、いつも一緒に、誰よりも近くにいたのが昴だった。

「なんでおまえスカートはいてんの? おんなみたい、へんなのー」
「……へんじゃないもん。ボク、おとこだもん」
「じゃあおとこおんなだ!」
「おとこおんなー!」

保育園に入園するまでは余り気にしていなかったけれど、やっぱり僕の格好は周りの子達から浮いていた。
身長も伸びた今では有り得ないけど、小さい時は本当に可愛かった僕。スカートを穿いていると、女の子と間違われるなんて当たり前の日常で。
だけど当然ながら、付いているものは付いている。
最初は興味深そうに僕を見ていた同い年の子達も、おかしいと思ったのだろう。入園しひと月も過ぎる頃には、僕は周りから良くからかわれるようになっていた。

へんじゃないもん……言いながらスカートの裾をぎゅっと握り締めることしか出来ず、どうしてこんなことを言われるんだろうと、涙ばかりが浮いてきて。

「こらぁっ! ユカリをいじめんなっ!」
「うわっ、スバルだ!」

そんな時、涙目になっている僕を助けに来てくれるのは、いつだって昴だった。
やんちゃで当時は背も大きい方だった昴の登場に、僕をからかっていた子達はあっという間に逃げていく。
僕の前に庇うように仁王立ちになる昴の姿を、僕は憧れの眼差して見ていた。

「だいじょうぶか?」
「うん、スーちゃんがいるから、だいじょうぶ」
「そっか!」

悪ガキ達を追い払った昴が、泣くなと頭を撫でてくれる。
それだけで僕は笑顔になれた。

「スーちゃんかっこいい」
「へへっ、よめをまもるのはおとこのやくめだって、とうちゃんがいってたからな」

僕だけのヒーローに賞賛を送れば、今も変わらない照れた笑顔で、昴が笑う。
昴の笑顔を見ると嬉しくて、一緒にいられることが嬉しくて。今思えば僕は、その頃からずっと、昴が好きだった。



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今日はちょっと長めです……。
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Simple〜僕は君の許婚 (4)
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家も近所で、母親達も昔からの知り合いのように、あっという間に仲が良くなった。
昴の家はお店をやっているからと、専業主婦で家にいた僕の母が、昴の面倒も買って出ていたほどに。

毎日のおやつは、昴のお母さんが持たせてくれる、お店で売るにはちょっと形が崩れていたり、ちょっと焦げていたりするパンだった。
昴のお父さんの作るパンは、毎日食べたって飽きないくらいに美味しくて。昴と並んで一緒に食べるから、余計に美味しく感じたのだろうと思うけれど。
保育園でも一緒に遊んで、帰ってからも一緒に遊んで、それでもまだ足りなくて。迎えが来て昴が帰る時には、いつだって悲しくなった。

「スーちゃん、かえっちゃやだ……」
「またあしたあえるから、な?」

くしゃっと歪んだ顔で昴の服を掴む僕に、昴は不器用ながらも小さな手で一生懸命僕の頭を撫でてくれた。

「おとなになるまでは、いえにかえんなくちゃだめなんだって、とうちゃんがいってたし。おとなになったら、ずっといっしょにいてやるから、がまんしろ」
「……わかった」

毎日のように同じ会話を繰り返す僕達を、母親達は呆れながらも楽しげに見ていた事を覚えている。
本当に仲が良いわね、なんて笑う母を相手に、昴は決まって胸を張って答えるんだ。

「だってオレたちけっこんするんだもん! な、ユカリ?」
「うんっ」

分かっていたのは『けっこん』すれば、ずっと一緒にいられるということだけ。
『けっこん』の意味も良く分かっていないのに、昴が笑っていることが嬉しくて、僕も笑顔で頷きを返す。

そんな毎日を過ごす中、夏休みを境にして、僕もようやく男の子の服を着させてもらえるようになった。ただし、どちらかというと色味もデザインも可愛らしい洋服ばかりだったけれど。

ズボンで登園するようになって、僕へのからからいも少しずつ下火になった頃だった。
同じクラスの女の子が、週明けにとてもはしゃいだ様子で友達とおしゃべりをしていた。

「およめさんがね、とってもきれいでね、マユはおはなをぱーってしながら、およめさんといっしょにあるいたんだよ」
「いいなあ」
「けっこんしきはね、およめさんと、おむこさんがちゅーしてた。ずっといっしょのおやくそくなんだって」

きらきらした瞳で、週末に出席してきたという結婚式の話をする女の子。
今も昔も、女の子というのはおしゃまさんが多いらしい。
その日からクラスの中で『結婚式ごっこ』が流行り出した。

「マユねえ、タカシくんのおよめさん!」
「じゃあサチはマサトくん!」

子供の考える遊びだけに、今思い出せば大した事は無い。
男と女が二人で歩いて、立ち止まる。神父さん役らしい一人が「けっこんしますか?」と質問すると、ハイと答えてキスをするという程度のもの。
もちろん、キスと言っても頬っぺたへのちゅーだ。
女の子達に選ばれた男の子達は、照れ臭そうに、でも嬉しそうに、ごっこ遊びに付き合う。もっとも、女の子のパワーには逆らえなかっただけかもしれないけれど。

「ユカコはスバルくんがいい!」
(……え?)

遊びが盛り上がる中、一人の女の子が、あろうことか僕の昴を指名した。
少し離れた場所でその光景を見ていた僕達の前に、声を上げた子が駆け寄ってくる。

「スバルくん、ユカコとけっこんして?」
(……スーちゃんは、ボクとけっこんするんだもん)

ニコニコと笑いながら手を差し出す女の子に、昴を取られてしまうと思って怖かった。
だけど僕には駄目だなんて言える度胸はない。どうして怖いと思うのか、その理由も分からないまま『嫌だ、駄目だ』と心の中で叫びながら、俯いて昴の洋服をギュッと握る事しか出来なかった。



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どちらが攻めか迷われている方もいらっしゃるようで(笑)
目次頁をご覧下さいませ〜( ´艸`)ムププ♪
我が家ではこれまでいなかったタイプの、攻めたんです( ̄ー ̄)ニヤリッ

どうしてこんなに時間が無いのだろう(汗
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